創業計画書(事業計画書)
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創業計画書(事業計画書)
創業(起業)や新規事業の資金調達のために使われるのが創業計画書(事業計画書)です。数値的根拠を用いて客観的かつ具体的に記述することで、事業の実現性や将来性を融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)に示します。
会社概要や取扱商品・サービス、取引先、財務計画といった基本的な情報のみならず、社会ニーズが高く成長が見込まれるビジネスであることを簡潔に伝える必要があります。
事業計画とは
新しいビジネスを始めるにあたり、必要総費用が自己資金で賄えない場合、あるいは事業を加速的に拡大したい場合は、銀行等から資金を調達することが必要不可欠になります。
その際、説得の根拠として使われる書類が「創業計画書(事業計画書)」です。
ビジネスの戦略や採算性、成長性といった事業の目標を、具体的かつ客観的に示して記載します。融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)に賛同を得て資金を集めるためにも、事業への熱意と冷静な分析力を持って、説得力のある資料・書類を作成します。
事業計画書が何故必要なのか?
企業が資金を調達する場合は、金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)から返済義務のある融資を受けるか、個人投資家(親族含む)やベンチャーキャピタルから返済義務のない出資もしくは投資を受けることになります。いずれにせよ、返済できる見込みのない事業や成長性のない事業には資金面での協力は得られないので、説得力のある事業計画書を作成する必要があります。
融資や出資の為の外部に向けた説得の為でだけではなく、自分の目指す事業の実現性を客観的に分析する上でも有用なので作成するべきと言えます。
事業計画書の主な項目
事業計画書に以下の項目を記載し、将来性を伝える
1.会社概要
2.取扱商品・サービス
3.取引先・取引関係
4.社会のニーズと適合性
5.事業の将来性
6.財務計画
1.会社概要
会社の正式名称、代表者の氏名、資本金、所在地、従業員、取引金融機関など、会社のプロフィールとなる基本情報を記載します。会社の経営方針や実現を目指すことについても分かりやすく記載し、融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)に将来性や信頼性を感じてもらえるように記載する。
2.取引商品・サービス
事業で取り扱う商品やサービスについて具体的に記載します。
どのような顧客に、どのような商品やサービスを提供するのか、なぜ顧客はその商品やサービスに惹かれるのか、といった判断理由や事例を伝えることで、融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)に納得感が得られます。
3.取引先・取引関係
創業計画書(事業計画書)では、実現性の高いビジネスであることを示すために、取引先となる「販売先」「仕入先」「外注先」を明確に記載する必要があります。
「販売先」とは顧客のことで、事業開始前から取引先が想定できるBtoBであれば、各販売先が売上の何パーセントを占めるかまで記載します。
BtoCなど顧客が明確に定まらない業種であれば、想定している顧客層を具体的に提示することで、融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)に事業戦略を伝えることができます。
「仕入先」は商品や原材料を購入する相手のことで、想定している取引先名は全て固有名詞で記載します。
「外注先」 は業務の一部を委託する相手のことで、仕入先も外注先も想定がない場合、記載する必要はありません。
まず、前の勤務先や親族の経営会社など、販売先や仕入先と何らかの結びつきがある場合は記入します。創業(開業)時には取引先が見つからず苦労することを融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)は理解しているので、繋がりのある取引先を確実に確保できていることはプラス材料になります。次に、「月末締め翌月末回収」のように回収・支払い条件を記載します。
BtoCなど立地条件がビジネスに大きく影響を与える事業の場合、立地選定の理由を市場分析と合わせて記載することが推奨されます。
*日本政策金融公庫のホームページに、創業計画書の書き方や創業時にご利用できる融資制度など、創業時に役立つ情報を紹介しているページがあるのでご参照ください。
4.社会のニーズと適合性
商品やサービスの特性とターゲットとする市場のニーズを分析し、需要が一過性でないことを示します。その市場に、ある程度の規模と成長性が見 込め、商品やサービスの特性に適合していることを記載することで、融資者である金融機関(日本政策金融公庫・銀行・信用金庫)への説得力を増すことができます。
5.事業の将来性
事業の将来性を伝えるためには、熱い思いだけではなく、具体的な根拠を記す必要があります。収益を上げるための戦略や事業の運用計画などについて、実現可能性が高く、数値的根拠を裏付ける具体的な行動を記載します。
6.財務計画
事業がどの程度の利益を生み出すかを記載します。まず、売上に関する項目として、商品やサービスごとの平均単価を設定し、日や月あたりの平均客数を試算し売上高の予測を立てます。次に、コストに関する項目として、平均原価を設定し、人件費や広告費を試算します。売上高からコストと税金を引けば、見込まれる利益を算出することが可能です。
また、事業への初期投資額や減価償却費を精査することで、事業の採算性を数値的に示すことができます。
事業計画書をまとめ方
①情報を分かりやすく、簡潔にまとめる
②事業内容はコンセプトとニーズを明確にまとめる
③事業計画書を図式化する
④他人の目で見てもらい意見を取り入れる
事業計画書に役立つマーケティングのフレームワーク
SWOT分析
セールスポイントをまとめるのに役立ちます。
4P分析
マーケティング状況を簡略化できます。
4C分析
顧客のメリットを把握できます。
3W1H
ビジョンを明確化できます。